実話を元に製作された戦争映画『アウトポスト』(米・20年)を観ました。私は戦争映画が特別好きという訳ではなかったのですが、『プライベート・ライアン』のリアルすぎる描写に衝撃を受けそれからは関心を持って観ています。
へーたおすすめの戦争・紛争映画
・プライベート・ライアン(米・98年)
・ブラックホーク・ダウン(米・01年)
・ハート・ロッカー(米・08年)
・高地戦(韓・11年)
・ゼロ・ダーク・サーティ(米・12年)
・アメリカン・スナイパー(米・14年)
・フューリー(米・14年)
・1917 命をかけた伝令(英・米・19年)⇒感想あります
挙げ始めたらきりがないですが、今回の『アウトポスト』もこれらに匹敵する傑作でした。
ストーリー
アフガニスタン北東部の山奥に位置するキーティング前哨基地(アウトポスト)は全方位険しい山に囲まれた谷底にあり、敵からの攻撃を防ぐには脆弱な基地だった。アメリカ軍部隊はタリバン兵の度重なる攻撃を受け疲弊し命を落としていく。そして基地撤退が迫ったある日、タリバン兵の総攻撃が開始された(カムデシュの戦い)。300人にも及ぶタリバン兵に対し僅か50人ほどで応戦するアメリカ軍部隊。四方を包囲された絶望的な状況下で彼らは基地を守り生き抜くことができるのか・・・。
キャスト
主役はクリント・イーストウッドを父に持つスコット・イーストウッド。これまでに『スーサイド・スクワッド』(16年)、『ワイルド・スピード ICE BREAK』(17年)、『パシフィック・リム: アップライジング』(18年)などの超大作にも出演している期待の俳優です。
他にはアカデミー賞にノミネートされた『ゲット・アウト』(17年)、『スリー・ビルボード』(17年)に出演したケイレブ・ランドリー・ジョーンズ。
『ロード・オブ・ザ・リング』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』で日本でも人気の高いオーランド・ブルームが出演しています。
また、当時実際に戦闘に加わったアメリカ軍の兵士が本人役を演じているのは驚きです。
監督は2000年にアカデミー賞にノミネートされた『ザ・コンテンダー』のロッド・ルーリー。彼は元軍人という経歴を持っています。
感想
※以降ネタバレあります。
まず地形に驚き!撮影場所と現実は違うでしょうが、本当にこんな感じの場所に基地があっていいの?って思いました。
内容としては作品のメインであるカムデシュの戦い(タリバン兵の総攻撃)までは、単発で何度か戦闘シーンがありますが戦争映画にしては比較的静かな感じ。ただ、その静けさが逆に緊張感を生んでいます。
例えばアメリカ軍と現地民との会合のシーン。結局は会話だけなのですが、それまでの静けさが相まってか、突然戦闘が起きてもおかしくないという緊迫感を感じました。
本作のメインであるカムデシュの戦いのシーンは上映時間の3分の1ほどを占めていて、詳細に、リアリティーのある戦闘シーンになってます。とにかく四方からタリバン兵がどんどんどんどん湧いて出てきます。まさに絶望的とはこのこと!
タリバン兵の攻撃は凄まじく基地の内部まで侵攻され次々にアメリカ軍の兵士は負傷し命を落としていきます。どの戦争映画でもそうですがアメリカ軍は負傷した兵士を見捨てません。たとえ自分の命を危険にさらしても助けようとします。いくら訓練で頭に叩き込まれているからと言って簡単にできることではないでしょう。しかし彼らは当たり前のように救助に向かいます。それが出来るのは何故か?答えはエンドロールで語られる兵士の言葉にあるでしょう。
それは”brotherhood”。訳すと”兄弟愛”です。
いつ死ぬかわからない状況の中、共に戦う兵士は仲間以上の存在、つまりは兄弟、家族になるのです。だから彼らは負傷した仲間を絶対に見捨てない。
本作で私が一番強く印象に残ったのはその想いです。
ラストシーンに、助けられなかった仲間を想い、生還した兵士が声を詰まれせ涙ながらに語るシーンがあります。
そこに本作が伝えたかったすべてが詰まっていると私は感じました。
緊迫感: | (4.2 / 5) |
銃撃戦: | (4.5 / 5) |
エンディング: | (4.8 / 5) |
コンプラ無視の米兵ジョーク: | (5.0 / 5) |